関東
アスリートを“支える”の立場からスポーツ界に貢献することを目指す団体です。
スポ・ラボはvisionとして「High Performance(パフォーマンス向上) & Minimum Injury(障害予防)」を揚げています。
スポーツをする子どもたちは多少の怪我を抱えていても、試合に出たい思いから、簡単に安静はとれません。
しかし、無理を押した結果、取り返しのつかない故障につながることも…。
このジレンマを断ち切り、ケガという障害を撲滅していくためには、発想を思い切り転換しなければなりません。
ケガしてから、治す。ではなく、ケガを未然に防ぎつつ、パフォーマンスを最大化するフォームを提案する。
これが私たちの答えです。
選手がいつでも・どこでも自分のフォームを解析、改善できるアプリを開発し、今までにないアプローチで自分の限界に挑戦する選手たちの未来を拓きたい。整形外科医師と理学療法士がタッグを組んだ新しい挑戦にご支援をよろしくお願いいたします。
ページをご覧いただきましてありがとうございます。
Sports-Synaps inc.の石井壮郎と申します。
普段は整形外科医師をしていますが、その傍ら、スポーツ医学の研究を行っています。筑波大学でスポーツ医学の博士号を取得し、人工知能を用いた研究を継続しています。
私たちは、2008年から研究を開始し、これまでに4000人以上の選手に対しフィジカルチェックを行い、200項目以上のデータを収集し、6000個以上の投球動画を解析してきました。
筑波大学でモーションキャプチャーシステムを使っての動作分析の研究も行ってきました。
こうした大量のデータを分析することで、フィジカルチェックの所見から、未来の投球障害の発症確率を推定する、投球障害予測システムの開発を行ってきました。
また、野球選手のMRI撮影、肩の有限要素法解析、投球動作の動力学解析などの研究も行ってきました。
これらの解析技術は野球のみならずさまざまなスポーツで応用できます。
2012年7月に友人であり、理学療法士の亀山と、「スポーツ傷害の最大の治療戦略は、予防である!」をモットーに、スポーツ傷害ゼロを目指した
「スポ・ラボ」という勉強会を作りました。
1 スポーツ現場のニーズや指導者の経験・勘を大切にする。
2 現場でデータ収集を行い、最新の科学技術を用いて解析し、新しい知見を生み出す。
3 新しい知見はWebやSNSを用いて、速やかに現場に還元する。
という想いのもと、Facebookやホームページなどで情報発信を続け、多くのアスリートや指導者の皆様に受け入れていただいております。
スポーツ医学の研究を始めたきっかけは私自身のケガの経験にあります。
私は大学まで野球をしていました。「うまくなりたい」その一心で、一生懸命練習したら、肩や肘を故障してしまいました。
ボールを投げるたびに痛みが出て、思い切り投げられないという症状が出ていましたが、簡単に休むわけにはいかず、練習を続けていきました。
すると、この痛みは徐々に増加して、「投げるのが怖い!」「思ったところに投げられない」と悪化。投げ方は萎縮して、球速もコントロールもがた落ちになります。
最後は、手をあげることすらできなくなり、洗髪にも支障をきたすようになりました…。
その後、野球を引退し、医学部を卒業後、整形外科医師になって患者を診察していますが、自分と似たようにスポーツで体を痛めてしまう選手が後を絶ちません。
現在日本には15万人以上の選手が投球障害に苦しんでいると推計されています。
多くの選手は、重症化してから病院を受診します。
基本的にこの障害は安静期間をとらないと治りません。
しかし、多くの選手は試合などの予定がすでに組み込まれているために、練習を休めず、安静もとれません。
医師の立場上、安静を指示しなければなりませんが、選手は安静にすることができません。
わたしも学⽣時代に同じ経験をしているので、選⼿の気持ちはよくわかります。このジレンマで、選⼿と⼀緒に診察室で苦悩する⽇々でした。
どうすれば選手の未来を守ることができるのか…。
考え抜いた結果、出した答えは「痛みが出てから治す」「重症化してから病院を受診する」ではなく、「痛みが出る前に予防する」でした。
具体的には、
「痛みが出る前に、そのリスクを確率として推定する」
「痛みが出る前に、痛みが出やすいことを知る(意識改革)」
「痛みが出る前に、予防活動をする」
「痛みがでても、重症化する前に早期発見して早期対処する」
ということが大切です。
そう、スポーツ障害の最大の治療戦略は「予防」なのです。
しかし、選手はケガの予防だけでは満足できません。やはり、上手くならなくては。
つまり、ケガの予防とパフォーマンスの向上の両者を両立しなければなりません。
研究過程で非常に多くの選手を診てきましたが、ケガをして苦悩する選手もいれば、ケガをせず競技能力がどんどんと向上する選手もいます。
その中でケガをせずに、競技能力を高めていくためには、その選手にとっての理想的な動作を提案することが必要になると考えています。
理想的な動作をコンピュータ上で作成し、その動作を選手に視覚的に伝えるため、2015年に「モーション・シンセサイザー」という新しいアルゴリズムの開発に成功。
このアルゴリズムを用いると、「スポーツの競技能力の向上と障害防止を両立する動作」を選手一人一人に視覚的に提案できるようになります。
これまで、モーション・シンセサイザーを使うためには、大学などの特殊機関でしか使えない光学式3次元動作システムが必要でした。
このシステムは非常に高価で、実験には多大な労力がかかってしまいます。
しかし、2017年に動作分析用の新しい人工知能が開発されると、スマートフォンのカメラで身体の関節座標を高精度に取得できるようになりました。
これを応用し、2020年についに「人工知能」と「モーション・シンセサイザー」と「スマートフォン」をネットワーク上でつなげられるシステムの開発に成功しました。
皆様からいただいたご支援金で「モーション・シンセサイザー」をスマートフォンに組み込み、あらゆる競技の選手たちが現場で簡便に使えるようなアプリケーションを開発します。