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北長瀬駅前エリアの商業施設、公園などを含めたエリア全体が、もっと暮らしやすくて、日々がわくわくするような、そんな場所になることを目指して、シェアスペースの運営や様々なプロジェクト、個人のチャレンジや起業支援、イベントの開催等に取り組んでいます。
北長瀬コミュニティフリッジは、食料品・日用品の支援を必要とされる方が、時間や人目を気にせず、24時間都合が良い時に提供される食料品・日用品を取りに行ける仕組みです。
様々な事情により、生活に困難を抱える方が私たちの地域でも増えてきていることを感じます。
経済の影響による仕事の事情、離婚や介護などの家庭の事情、それぞれに理由があります。
そして、それは誰しもに、ある日、急に訪れるかもしれないことです。特に、今、新型コロナウィルスの影響で困難を抱える状況になった方が全世界で増えています。
仕事ができない、お客さんが来れない、その影響を多くの人が受けています。
こうしたときこそ「困ったときはお互いさま」の気持ちで助け合いたい。
北長瀬コミュニティフリッジは、この助け合いの精神で提供をくださる個人、企業・商店などからお預かりした食料品・日用品を、北長瀬駅前のブランチ岡山北長瀬の駐車場に併設された倉庫内の冷蔵庫や冷凍庫にてお渡しする仕組みです。
提供を希望される方は、利用登録をしていただくことでその場所の電子ロックを提供させていただきます。
これにより、24時間、ご都合の良い時に取りに来ていただくことが可能です。駐車場に併設されており、無人運営をしておりますので、時間や人目を気にせず、ご利用いただくことが可能です。
北長瀬コミュニティフリッジでは、食料品・日用品を提供くださる方を「フードプレゼンター(食品をプレゼントくださる方)」と呼んでいます。
例えば、いただいたお中元やお歳暮でいただいた調味料や加工品、タオルや洗剤などや、多めに買っておいた缶詰、たくさんいただいたお米などなど、ご提供ください。
フードプレゼンターとしてご登録いただき、ブランチ岡山北長瀬内のハッシュタグ岡山にお持ちいただければ、コミュニティフリッジを通じて必要とされる方にお渡しすることができます。
また、お店や企業でも、お店の棚の入れ替えや季節商品などの在庫整理をする際にでてきた商品などのご提供。
製造されている自社製品の一部のおすそ分けなども、必要とされる方にお渡しすることができます。
そして、インターネットからのご支援もできます。スマートサプライというサービスを通じて購入いただいたものは、そのまま必要とされる方に提供されます。
それぞれのライフスタイルの中でちょっとずつの「お互いさま」でコミュニティフリッジは支えられます。
北長瀬コミュニティフリッジは、海外ですでに広がっているコミュニティフリッジの仕組みを応用し、日本に合った形に仕組みを再構築した「日本版コミュニティフリッジ」ともいえる取り組みです。
コミュニティフリッジのコンセプトは、2012年にドイツ・ベルリンで「フードシェアリング」というグループが始めました。
2015年にはスペインで開始され、2016年にはイギリスではじまり、その後、90を超えるコミュニティフリッジがイギリス国内で設置されています。
この活動はインド、ボリビア、イスラエル、ニュージーランドと広がっています。日本では私たちの岡山での取り組みが初めての物です。
2020年春、新型コロナウィルスの感染拡大が広がり、初めての緊急事態宣言が発出された中で、岡山県内で子どものための活動を行っていたNPOや企業が連携して「おかやま親子応援プロジェクト」が立ち上がりました。
子どもたちへのオンライン学習支援、オンラインでの体験教室の開催、コロナで生活が苦しくなってきた親子への体験活動の無料提供を行う中で、岡山市、岡山市社会福祉協議会と協働で児童扶養手当受給世帯・就学援助世帯に対して様々な支援情報をお届けする情報配信メール「おかやま親子応援メール」も開始しました。
そのメール灯篭者へのアンケートで一番要望が大きかったのが「食料品・日用品の支援」でした。その中で、このプロジェクトに参加していた当法人(北長瀬エリアマネジメント)では、この北長瀬駅前の立地を活かして支援ができないかと、フードバンク活動に取り組む「フードシェアリングジャパン」さんに海外事例や海外の取り組みからのアドバイスをいただきながら、2020年11月20日に立ち上げました。
2021年6月24日時点で、376世帯の方々が利用登録をされ、毎日40~50世帯の方々が食料品や日用品を受け取りに来られています。
また、寄付をくださるフードプレゼンターの方は613人の個人の方々と企業や団体43組織がご登録をくださっています。
2020年(11月20日~3月31日)の期間中は、毎日24時間提供を行いました。(お正月の期間のみ寄付受入をお休み)
この期間中に、約32千点の食料品・日用品をご寄付いただき、金額に換算すると11,348,906円になりました。
本当に多くのご支援、ありがとうございます。
また、以下のようなメッセージを利用者の方々から、頂いています。
○2人の子どもと3人で暮らしています。 パート勤務をしながら、子育てと家事の毎日を送っています。 近くへ来た時は利用させていただいていますが、本当にありがたいです。 ありがとうございます。
○私はシングルで2人の子供がいます。 実家は九州で帰省するのに多くのお金がいるのと、コロナの関係でもう3年は親にも会えない状況です。 金銭的な援助はもちろん、子供が体調悪かったりしても働かないといけず、子供には寂しい思いをさせています。 疲れきって、ご飯を作る気力がなかったときなど、こちらで寄付していただいたものを食べさせたりしており、大変助かっております。 本当にありがとうございます。感謝致します。 わたしも私にできることを見つけて社会貢献していこうと思います。
○精神的にもきついときにこのような機会に恵まれたことに感謝しています。事業を運営されてる方々、物資を寄付してくださる方々が気にかけてくれてるという意味にも感じられ孤独感が安らぎます。 ありがとうございます。
○このような素晴らしい制度に協力し、物資を寄付してくださる企業様、個人の皆様には本当に感謝しかありません。私の家族だけでなく、救われた方がたくさんいらっしゃると思います。直接会ってお礼は言えませんが、いつもありがとうと思って利用しています。
○子供が高校入学して出費が多くなりました。給食もないのでこれから大変になると思います。 去年コロナで不安な中で、物資を寄付してくれる方々いて、今まで子供が赤ちゃんの時からずっと育てて初めて人の温かさを感じて、勇気付けられました。 支援してくれる気持ちが本当に有難いです。 ありがとうございます。
○毎月毎月 生活が苦しくて子供たちに不憫な思いをさせてるので 寄付して下さる方たちには本当に感謝です!
いただきましたご支援は、以下のコミュニティフリッジに関する取り組みに活用をさせていただきます。
1. 登録されている困窮者にご提供する食料品・日用品の補填
北長瀬コミュニティフリッジでご提供させていただく食料品・日用品のニーズに寄付が追い付かなくなった場合に、その補填に活用させていただきます。
2. 登録している子どもの合同誕生日会の費用
北長瀬コミュニティフリッジにご登録されている利用者のお子さんの合同誕生日会を開催しております。
それぞれの月生まれのお子さんがおられる方にお声掛けをし、大学生のボランティアさんなどのご協力いただきながら、ゲームなども交えたパーティと食事、簡単なプレゼントをしています。
その準備やプレゼント費用に活用させていただきます。
3. コミュニティフリッジを広げるための取り組み
岡山県内はもとより、全国各地で同じように生活困窮を抱えた方がおられることから、この仕組みのノウハウ移転を行っております。
県内及び他県で取り組みをしてくださる方への研修や情報提供などに活用させていただきます。
私達がコミュニティフリッジの運営にあたり、いつも考えていることは以下の2点です。
1. お互いさまの助け合いを広げる
コミュニティフリッジでは、生活困窮の方々に対する支援ですが、支援する側・される側という一方的な形ではなく、今は支援される側でもいつかは支援する側になる、というように、お互いが支えあう社会の実現を目指しています。
2. 誰かが無理しないとできない支援から脱却する
コミュニティフリッジはなるべく運営のコストを下げ、また関わる人の負担もなるべく下げることで持続できる仕組みを目指しています。
事務局も、一般社団法人北長瀬エリアマネジメントが運営するシェアスペース「ハッシュタグ岡山」の窓口職員がシェアスペースの管理業務中に行い、冷蔵庫や棚などもご協力企業の方にご支援をいただき、年間の運営費を抑えています。
またフードプレゼンターの方にも可能な範囲で可能なときにご支援をいただくようにしております。
誰かが無理をしないと続けられない仕組みではなく、小さな力をそれぞれが出し合うことで長く続けること。
誰もが関われて、広がる仕組みを目指しています。この取り組みが広がることで、「お互いさまの気持ち」が「行動」になり、助け合いの社会になっていくのではないかと思っています。
いつも様々な形でのご支援、ありがとうございます。
岡山発の取り組みであるコミュニティフリッジは多くの方の助け合いで実現している仕組みです。
ぜひ、お互いさまの気持ちでのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。