コロナ禍でも、障がいのある方に自分らしく働ける”晴れの舞台”を提供したい

● ピープルデザイン研究所

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従来型の福祉を超えたワクワクする「超福祉」を立体的に実現し、ダイバーシティの社会の実現に向けたまちづくりを進めています。

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関東

ピープルデザイン研究所

従来型の福祉を超えたワクワクする「超福祉」を立体的に実現し、ダイバーシティの社会の実現に向けたまちづくりを進めています。

就労体験プロジェクトとは

私たちは、性別・国籍・年齢・身体・心のバリアを取払い、違いに寛容で誰もが共感・共存できるダイバーシティ(多様性)/インクルーシブな社会の実現を目指し、2012年4月、東京都渋谷区を拠点に活動を始めました。”心のバリアフリーをクリエイティブに実現する思想や方法”として「ピープルデザイン」を提唱し、障がい者・LGBTQ・認知症を含む高齢者・子育て中のお母さん・外国人など、5つのマイノリティの課題に立脚しています。


現在は、渋谷区や川崎市をはじめとする行政と連携したダイバーシティな街づくり、国内外の大学・高校・中学校と連携したプロジェクト、授業、企業・官公庁の研修や講演、Jリーグ・Bリーグ等のスポーツ、映画・音楽などのエンターテイメントとのコラボレーションイベントなどを通じて、「ピープルデザイン」をテーマにした、モノづくり・コトづくり・ヒトづくり・シゴトづくりの4領域で、インクルーシブ社会の実現に向けた活動を展開しています。


その中の1つとして、「障がい者」×「シゴトづくり」「ヒトづくり」のプロジェクトとして、障がい者の方々が”晴れの舞台”のお仕事体験を通じて、“おためし”で社会参加ができる「就労体験プロジェクト」を展開しています。


このプロジェクトでは、身体・精神・知的障がい者、ひきこもり、ホームレスの方々など、様々な理由から社会参画することが難しい方々が、スポーツ・音楽・映画などのエンターテイメントのイベント会場などのワクワク・ドキドキするような環境で、4h程度のお仕事を体験し、体験者には「交通費」として2,000円を支給しています。


現在、日本の総人口の約7.6%にあたる約965万人が何らかの障がいを抱えています。そのうち民間企業で雇用されている方はわずか58万人弱でしかなく、障がい者雇用率の全国平均は2.15%です。

※「障害者の就労支援について」厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課


2021年3月1日から、障がい者の法定雇用率が民間企業で2.3%に引き上げられました。精神障がい者の雇用も義務化していますが、正直に申し上げて、障がい者雇用に対して「手間がかかる」「コストになる」と考えている企業は残念ながら少なくありません。


一方で現在、福祉事業所が抱えている課題は、通所している利用者さん=障がい当事者の社会参画の機会が著しく少ないことです。 また障がい者雇用対象者として認められるには週20時間以上の勤務時間が必須と定められていて、「週20時間以上の就労が困難な障がい者」は、現行法規からはみ出てしまっています。 「就労=働くこと」は生計費を得ることよりも、「社会に参加する」という点で重要だと思っています。また、障がい者のみならず、障害者手帳を保持していないひきこもりの状態にある方々にも、こうした社会参画への1歩目となるキッカケづくりはとても大切だと思っています。 私達の提案は、企業に対して終身雇用を前提とした雇用形態や、いつまでも達成できない雇用率(現行2.3%)を義務づけるよりも、自社内にある簡易な業務を、障がい者の人たちに短期間の就労機会、社会参画の機会として創出していく、ということです。

プロジェクトの経緯

2012年、Jリーグ横浜FC様にご協力を頂き、横浜FCのホームグラウンド周辺の神奈川区と保土ヶ谷区の福祉事業所に通所する障がい者の方々の就労体験をコーディネートしたのがこのプロジェクトのはじまりです。


その後、2014年7月、「ピープルデザインの考え方を活用した賑わいのあるダイバーシティ(多様性に寛容)なまちづくりの実現」を目指し、川崎市と包括的な連携・協力協定をを交わしたことをきっかけに、同市健康福祉局と連携しながら市内で展開を拡大してきました。


これまで、Jリーグ川崎フロンターレをはじめ、Bリーグ・川崎ブレイブサンダースや地元企業とのコラボレーションによる就労体験を行い、一般就労をめざす障害のある方々を中心にスポーツや文化イベントなどでのお仕事を体験して頂いています。


スポーツ以外のエンターテイメントの領域においても、毎年全国から10万人以上を集める「カワサキ ハロウィン」というイベントや、オールナイトのロックフェス「BAYCAMP」などでも、参加者や来場者の方々のサポート・案内や、清掃活動も行なっています。

これまでの活動実績

川崎市内の実績だけでも、協定締結後の2014年7月〜2020年3月までに281企画を実施。延べ参加人数は2,757名となっており、就労体験を経験した後、福祉事業所に通いながら一般就労を果たした方の人数は247名に上っています。一般就労ではない小さなステップアップも多く確認できており、社会参画や就労に向けた “モチベーション” を高める施策としても着実に成果を上げています。 


その他、東京都渋谷区・新宿区・港区をはじめ、神奈川県横浜市、宮城県仙台市、島根県益田市などの地域でも、毎年10〜30企画程度を実施しています。これらも含めた述べ参加人数は合計で3千名を超えています。

私たちの想い

現在、就労支援事業者や、福祉事業所等が抱えている課題は、障がい当事者である利用者さん達の社会参画の機会が著しく少ないことです。 またこれまで、こうしたスポーツや音楽・映画などのエンターテイメント”晴れの舞台”においては、障がい者は常に招待されるだけでした。 実際に「働きたい!」という意欲を持った人達がいても、こうした体験の機会は、全くありませんでした。


私たちが学生時代にアルバイトをしようと思った時に、色々なジャンルの職業や、働く場所の選択肢があって、その中からやってみたいと思えるものを選んで働いてみた様に、彼らにも色々なジャンルの職業や場所で、働く体験・経験をしてもらいたいと思っています。

このプロジェクトを通じて、障がい者の方々の社会参画の選択肢を増やしてあげることが必要です。

それと同時に、「これならやってみたい!」と思わせる様な、ワクワクするジャンルのお仕事を体験する機会を用意して上げることも必要です。


参加した障がい当事者の方々が共に働く仲間やお客様から「ありがとう」と言われることで、誰かの役に立ち喜ばれることを覚え、自信や誇りを身につけていき、その自信が能動的な行動へとつながっています。

これまで人前に出る経験や一般の不特定多数と関わる機会が少なく、その経験が乏しかった人も、この体験を機に人前に出たことが自信となり、 社会参加に向けた第一歩を踏み出していきます。


また、福祉事業所に通う障がい者の方々の平均工賃は、就労継続支援B型事業所では16,369円、時給に換算するとわずか約223円でしかありません。 ※「令和元年度工賃(賃金)の実績について」厚生労働省

彼らが就労体験に参加し、4時間程度の仕事で2,000円を得ることは、現在の時給(223円)を考えると、大変大きな収入となります。

就労体験に複数回参加し、事業所の工賃プラスα の収入を得た方からは、「妹に誕生日プレゼントを買いました」、「母の日に花をプレゼントしました」、「いままで欲しくても買えなかった時計を買いました」など、たくさんの素敵な報告がありました。「働いてお金を得る」ということも、この体験を通じて得られる、大事な経験の1つだと考えています。


■昨年度参加した障害当事者の声(原文のまま)

・仕事の大変さを学んだ。少しずつだけど社会活動への抵抗が減ってきた。集団の中での自由時間が苦手だと気づくことが出来た。(20代男性/ひきこもりの方)

・普段通っている事業所の方以外の方ともお話ができた。 色んな人が関わって、一つの試合を作り上げていく意味や大切さを学んだ。(30代女性/精神障害者)

・1つ1つ清掃することの大切さを学んだ。仕事で諦めないことを学んだ。拭き清掃が長く集中することが出来た為、半分今回行った仕事に対して向いていると気づくことが出来た。(10代男性/知的・発達障害者)

・久しぶりの労働だった。最後までやれてよかった。(50代男性/精神障害者)

・コロナウイルスの対策をした中での外部の仕事の経験ができた。(30代男性/施設職員)

・久しぶりに就労体験ができて楽しかった。これからも続けてほしい。

(40代女性/身体・知的障害者)

・楽しかった。またやりたい。(40代女性/知的障害者)

・こういう仕事もあるんだなと思った。清掃系嫌いだったけど意外と楽しかった。

(20代女性/知的障害者)

・人付き合いや気配りが大切だと学んだ。(30代男性/精神障害者)

・社会にいる楽しさや人と話す嬉しさを感じることができた。自分が体験したことを将来の仕事に活かせたらと思うようになった。自分の大好きなプロレスの仕事に関われて幸せだった。

(20代男性/ひきこもりの方)

・みんなと働けてよかった。体調管理を意識するようになった。(30代男性/知的障害者)

・どんどん社会に出てしっかり自分の手でひとつを決めてチャレンジしたいと思った。

(20代男性/知的障害者)

・社会に参加することへの抵抗感が減ってきた。(20代男性/ひきこもりの方)

・なんとなく自分がやりたいことが見つかり、感覚がより社会に近くなった。

(20代男性/ひきこもりの方)

最後に 私たちから伝えたいこと

2020年2月以降は、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け、参加者の安全と安心を第一に考慮し、このプロジェクトは8月まで一時中断しました。この間、当事者の方々は事業所にも通所できず、今まで以上に外に出る機会を失い、通所が一部再開された後も、施設外の実習や活動などがほとんどなくなってしまいました。


また先日、厚生労働省の調べで、今年3月から8月までの半年間に解雇された障がい者は1,475人と、前年同期に比べ34.9%の大幅増となっていることが発表され、コロナ禍における障がい者を巡る雇用情勢の厳しさが新聞やニュースでも報道されました。


中断期間中には、これまでに参加した事業所から、「再開を心待ちしている。」「就労体験を楽しみにしている方が沢山いる。」といったお声をいただき、私たちはこのような状況の中だからこそ、この体験の機会を提供することを止めてはいけないと思い、7月から再開に向けた準備をスタートしました。


まずは事業所の方々に再会に向けてのヒアリング・アンケート調査を行い、行政とは密にコミュニケーションをとりながら現場の下見を重ね、弊社独自のガイドラインを作成しました。その後、安心・安全な環境を整備し、感染症対策をしっかり行いながら、時間・人数に制限を設け、仕事内容と規模を縮小して、9月から就労体験を再開しました。


9月から、2021年3月までは、緊急事態宣言等の影響を受けながらも、18企画を実施し、13事業所から述べ67名の方々が参加しています。


今後も、コロナ禍においても就労体験の機会を提供し続け、働くことを通じて、喜びや学びを得て社会参加し、生きがいを持てるきっかけとなる機会と、いつでも気軽に参加できて、一度失敗をしてもまた戻ってこれる場所をつくり続けていきたいと思います。


障がい者をはじめとするマイノリティの方々が社会へ自然に混ざるインクルーシブ社会の実現に向けて、みなさまのご支援を賜れれば幸いです。




■ 一般社団法人Sports X Initiative、日本経済新聞社主催「SPORTS X initiative CONFERENCE 2020+1」

『障害者がスタジアム運営を”支える”「就労体験プロジェクト」』

https://channel.nikkei.co.jp/d/?p=sportsx2021&s=3495

■ 就労体験プロジェクト含めた日々の活動は弊社facebookページに掲載しております

https://www.facebook.com/peopledesign.shibuya

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