全国
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンは、1995年に当時12歳のクレイグ・キールバーガー少年によって貧困や搾取から子どもを解放することを目的にカナダで設立された「Free The Children」の理念に共感し、1999年から日本で活動を始めた団体です。「子どもや若者は助けられるだけの存在ではなく、自身が変化を起こす担い手である」という理念のもと、国際協力活動と並行して日本の子どもや若者が国内外の問題に取組み、変化を起こす活動家になるようサポートしています。現在では全国で1000人以上がメンバーとなって社会問題に取組み変化を起こしています。
こんにちは、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの代表の中島早苗です。私は、カナダで誕生したFree The Children(フリー・ザ・チルドレン/現WE)の理念に共鳴し、日本の人たち、特に子どもや若者に紹介したいという思いから1999年にフリー・ザ・チルドレン・ジャパンを設立しました。
■フリー・ザ・チルドレンとの出会い
私がフリー・ザ・チルドレンに出会ったのは、1997年にアメリカのNGOでインターンをしていた当時25歳の時でした。NGOの事務所にあった雑誌を読んでいると“It Starts With Me(自分から始まる)” という見出しの記事がありました。それは、カナダ人の「クレイグ・キールバーガー」という少年が、若干12歳で貧困から子どもを解放するために、Free The Children(フリー・ザ・チルドレン)という国際協力団体を設立した、という内容でした。
団体のモットーは「子どもが子どもを手助けすることで世界を変える!」
という、私にとっては衝撃的なものでした。
■フリー・ザ・チルドレンを日本に紹介したい
日本では、「他人に迷惑をかけない」ことや、「目上の人を敬う」、「ルールに従う」ことが大切だと親や学校から教わります。確かにそうかもしれませんが、時として和を重んじるばかりに、また、目上の人を気遣うあまり、問題があってもそれに対して声を上げたり、行動を起こしたりすることが難しい社会なのではないか。「空気を読みすぎて」意見を発言しにくいという風潮があるのではないか。
私自身、中高生の時、自分の意見を言えないし、社会問題に取り組んだことのない子どもでした。地域の課題や、学校のルール、先生による体罰など「おかしい」と思ったことがあっても、子どもは従うしかないと諦めていたし、それに対して声をあげようという発想がありませんでした。
でも、子どもは未熟かもしれないけれど、子どもだからこそ持っている発想やパワーがあると、クレイグくんや彼らの活動を知って強く感じました。子どもは社会の一員で、子どもには権利があり、誰しもがかけがえのない存在なのです。フリー・ザ・チルドレンを日本に紹介することで、日本の子どもに、「子どもには世界を変える力がある」ことを伝えたい。多様な考えや価値観があって良い。そして、日本の子どもが、子どもに関わる社会問題を知り、それらの課題に対して自分に何ができるかを考え、行動を起こし、子どもから世界を変えていく-。そんな社会が創れたらステキだなと妄想が広がり、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(FTCJ)を1999年に設立しました。
▼1995年 カナダの12才の少年、ある新聞記事を目にする
「パキスタンで過酷な労働をさせられていた同い年の少年が、工場脱出後に児童労働反対を訴えていたが、何者かに射殺される。」カナダに住むクレイグ少年は偶然その新聞記事を目にし、強いショックを受ける。同じ子どもの問題ならば、自分たち子どもだからこそできることがあるはずだと、Free The Children (FTC)を設立。
▼1997年 25歳の日本人が、アメリカでFTCと出会う
アメリカでNGOインターンをしていた当時25歳の中島早苗が雑誌を読んでいると、偶然12歳の少年がFTCを立ち上げたことを知る。何か力になりたいと思い、寄付をするためFTCにメールを送る
▼1999年フリー・ザ・チルドレン・ジャパン創設
子どもにとって行動を起こすことが難しい日本だからこそ、日本の子どもに「子どもには世界を変える力がある」ことを伝えたい。FTCと出会いそんな思いが強まった中島は日本でフリー・ザ・チルドレン・ジャパンを創設する。
▼2000年初のフィリピンスタディツアーを開始
明治学院高校のメンバーを中心に初のスタディツアーを開始。通常の観光旅行ではなかなか体験できない、支援先地域の人々のありのままの声を聞くことで、高校生たちは日本の生活が当たり前ではないという世界の現実を体感する。
▼2001年初の国内の子ども対象リーダーシップ・トレーニングキャンプを開始
小学生5年生~高校生までの子どもを対象にしたチェンジメーカーを育てるためのキャンプ。世界や社会の問題を楽しく学び、それらの問題に対してどのようなアクションを起こしたら良いかを考え、リーダーシップスキルをみにつける。
▼2020年〜より多くの子ども・若者が自分でアクションを起こせる社会へ
Change Makers Fesや啓発プログラムを通して、子どもや若者が感じた社会問題を「自らが変化の担い手になれる体験」を作り、誰一人取り残されない持続可能な社会を作ることを目指していく。
現地のNGOと協力しながら、フィリピン、インド、ケニア、エクアドルなどの国を対象に国際協力事業を行っており、今までに1500以上の学校を建て20万人の子どもが毎日教育を受けられるようなり、100万人以上の人々が安全な水を飲めるようになりました。
国内では、緊急復興支援や貧困家庭支援に加え、年間約100箇所でのイベントや出前授業を通じて、国際問題や人権への理解促進と問題解決に向けた活動の起こし方を伝えています。
一人の少年から始まった活動は、今では世界45か国に広がり390万人もの子どもが活動に参加し、日本では延べ6万人の子どもや若者がメンバーとなって活動中です。また、日本の中学高校の英語、社会、家庭科などの教科書に当団体のことが掲載され紹介されています。創設者クレイグとフリー・ザ・チルドレンは、過去に3度ノーベル平和賞にノミネートされ、日本では尾崎行雄記念財団から咢堂賞を受賞するなどし、その活動は国内外にて評価されています。
活動1 国際協力支援プログラム
「教育」「水」「保健」「収入向上」の4つを柱に、海外の貧困地域の子どもと子どもを取り巻く環境全体にアプローチしています。これまでに支援地域では、1,500校の学校と教室が建設され毎日20万人もの子どもが学校で教育を受けられるようになりました。
活動2 啓発プログラム
クレイグのように、子ども・若者だからこそできることがあるはずです。「テイクアクションキャンプ」「グローバルチャレンジプログラム」「スタディーツアー」からなるチェンジメーカープログラムをはじめ、知ることやアクションを起こすサポートなど幅広い活動をしています。
家族を支えるため、学校に行くこともできずに過酷な環境で働く子どもが世界に1億6000万人いると言われています。また毎日4000人もの子どもが、きれいな水にアクセスできないことが原因で命を落としています。そして海外だけでなく、日本でも7人に1人の子どもが相対的貧困と呼ばれる状況に陥っています。
私たちはこういった課題を一つひとつ解決し、世界中のすべての人々が「誰一人取り残されることなく」社会に参加し、国籍・宗教・年齢・性別・障害・文化に関係なく、違いや個性が尊重され、互いに勇気づける多様性のある社会づくりをめざしています。
世界はまだまだ厳しい状況にありますが、子どもたちこそ作り変えていく可能性を持っています。当時12歳でFree The Childrenを立ち上げたクレイグ君のように。そして日本の子どもたちが社会問題を自分事として捉え、行動を起こしていくためには、大人たちの継続的なサポートが不可欠です。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンにいただいた寄付は、国内外の貧困状況にある子どもたちの支援とともに、日本の子どもたちの啓発プログラムのために使われます。
ぜひご協力お願いいたします。