全国
CAPNAは、児童養護施設暁学園の施設長であった故祖父江文宏が代表となり、1995年10月、日本で三番目の子ども虐待防止の民間団体が名古屋に誕生しました。それが子どもの虐待防止ネットワーク・あいちです。その後2000年4月に特定非営利活動法人の認証を、2010年2月にはNPO法人の認証を受けました。
CAPNAの理事長に就任致した小久保裕美と申します。萬屋育子理事長からバトンを引き継ぐことになりました。微力ですが、CAPNAの継続と新たな展開のために尽力していきたいと思っています。今期の一番の目標は、「CAPNAの活動の継承」です。私は1995年CAPNAの発足当時からのメンバーです。「子どものいのちを守ろう」というCAPNA発足時の熱い思いは今でも大切にしています。そしてこの「熱い思い」は継承していかなければなりません。若い世代にバトンタッチしていくことが使命だと思っています。
CAPNAが発足したころ、私は精神科ソーシャルワーカー(現在は精神保健福祉士)として精神病院で働き、アルコール依存症と診断された女性たちと関わっていました。なかには幼い子どもを抱えている人もいました。母親が連続飲酒状態になると子どもに目が向きません。つまりネグレクトです。時には暴力もあります。母親が入院し、子どもは児童養護施設に保護されました。面会に同行した際、幼ない子どもが母親に会うことを拒否しました。この母親は自らも家庭崩壊の体験者でした。悲しみに打ちひしがれた母親の姿を昨日のことのように覚えています。
CAPNAのなかで私は育児不安を抱える母親の支援を行ってきました。1996年から約20年間、育児不安や子どもへの虐待で悩む母親のグループ支援を、2006年からは暴力から逃れてきた母子が入居するシェルターを担当してきました。グループで出会った母親たちの多くは、自らも被虐待児であった体験を持っていました。虐待を受けてきたこころの痛みや辛さは大人になってもなかなか解消しないのです。子どもへの虐待は、子どもの人生に深い後遺症をもたらします。そして自ら子育てをするとき子どもへの関りがわからず、時に虐待をしてしまうことがあるのです。
子どもへの虐待を防止する活動は、子どもの未来を豊かにする活動です。子どもが豊かに自由に生き生きと育つことは、先に生まれた大人の責任です。さらなる皆様のご協力とご支援を心からお願いいたします。
CAPNAが設立されたきっかけは1994年に遡ります。
高校生の少女が実父からの性的虐待を友人に打ち明けました。
その生徒は家出や無断欠席など問題のある生徒とみなされていましたが、友人が担任に相談したことから、学校から警察につながり、児童相談所に一時保護されました。
児童相談所から弁護士会の子どもの権利委員会に相談 があり、その事件は全国で二番目の親権剥奪という虐待事件となりました。
そのとき協力して取り組んだ弁護士と児童養護施設関係者、児童福祉司が中心となって、愛知県にも市民団体を設立しようとする機運が高まり、児童養護施設暁学園の施設長であった故祖父江文宏が代表となり、1995年10月、日本で三番目の子ども虐待防止の民間団体が名古屋に誕生しました。それが子どもの虐待防止ネットワーク・あいちです。
その後2000年4月に特定非営利活動法人の認証を、2010年2月にはNPO法人の認証を受けました。
【自殺対策事業】
1998年全国の毎年の児童虐待死のデータをまとめた日本初「見えなかった死」の発行で無理心中(自殺)と虐待死の関連を厚労省に訴える
2000年「見えなかった死」の続編として「防げなかった死」の発行。2005年から厚労省が児童虐待死について統計を始めるきっかけとなる
2010-2013年 愛知県委託事業自殺ハイリスク者対策モデル事業受託。
2000-2020年若者向け自殺対策事業:子ども・若者向けイベント「スマイルデーなごや」参加
2012-2016年寄り添いホットライン受託(一般社団法人社会的包摂サポートセンター)
2018年 小・中・高・大学生向け、若者の自殺予防対策としての市民講座「ゲートキーパー研修」及び「2学期を迎えるあなたへ」開催
2019年 日本自殺予防学会愛知県大会参加・シンポジウム共催
2020年名古屋市新型コロナウィルスこころのケア相談事業(現在継続中)
2020年愛知県・名古屋市「ゲートキーパー研修」講師派遣
【相談機関事業・現在継続中事業】
1995年からCAPNAホットライン(現在:月-土11:00-14:00)の電話相談を全国から受け付けている
2009年からはメール相談を全国(海外も含む)から受け付けている
1996年より配偶者からの暴力からの避難のための一時緊急避難施設(シェルター)事業
2010年より土日祝日の配偶者暴力相談電話(ドメスティック・バイオレンス相談電話)
2020年よりコロナ禍のDV被害者母子・若年女性向け緊急一時避難宿泊事業
【その他関連事業】
(直近10年を記載します)
2011年より2012年まで産後鬱等の虐待・自殺予防のための母子保健研修(家庭訪問事業)受託。
2012年より予期しない妊娠相談事業開始。
2012年愛知県委託事業家庭訪問支援員養成講座受託。
2013年より特別養子縁組推進事業開始。
2015年から現在 高浜市児童虐待防止研修会受託年3回
2015年より2018年まで
奈良県委託「新アウトリーチ型子育て支援事業(家庭訪問支援員養成講座)」
及びガイドブック作成事業を受託。
2016年読み書き障害(ディスレクシア)~困難こそがハートを育む~」ディスレクシア協会共催開催
2016-20202年 年日本財団助成事業特別養子縁組ガイドブック作成
2016年から2018年
ペガサス財団助成児童養護施設内暴力・性暴力を防止する安全委員会普及事業開始。
2017年広島県委託事業特別養子縁組推進事業受託。
2018年「子どもと愛着を深めるための講座」
2019年全日本社会貢献団体機構助成事業助成による
児童養護施設内の暴力を防止する安全委員会方式研修会
2019年岡﨑市所属機関教職員を対象とした児童虐待防止研修受託(年3回)
2019年性被害者支援関係者向け市民講座「“娘と性交”父親無罪」ってありですか?
2008年より現在継続中
愛知県児童虐待防止対策セミナー・名古屋市児童虐待防止研修会受託(各年2回)
ご寄付いただきましたご支援を次のような活動に活用したいと考えています。 1・電話相談事業・相談員養成事業 CAPNAホットラインは児童虐待に関すること、育児に関すること、地域や関係者からの児童虐待に関する不安や悩みの電話相談です。また”かつて子どもだった虐待を受けた方”からの相談も受付ています。CAPNA設立以来ホットラインは継続して行っている事業を維持するために支援いただきました寄付を使用したいと思っています。また相談員の質の向上や新しく相談員になりたい方の人材育成に活用したいと思います。
2・メール相談事業 CAPNAでは2009年よりメール相談を行っています。メール相談の良いところは時間を問わず相談ができることです。小学生からのSOSもあります。また小さな子どもを育てている保護者からの相談も多くあります。コロナ禍となった昨年からは子どもがSOSを出すための1つのツールとしてメールが活用されるようになってきています。メール相談のシステム維持費として支援いただきました寄付を使用したいと考えています。
3・DVシェルターの維持・運営費用 2006年から配偶者・恋人からの暴力被害から一時的に非難をするための民間シェルターの運営をしています。被害者は母親だけではありません。子どもにとっては面前DV は心理的虐待です。暴力の被害者は心身ともに傷ついています。母子ともにケアが必要ですし、また自立のために必要なサポートも必要となります。シェルター維持費と日用品の購入などをとして支援いただきました寄付を使用したいと考えています。
私たちの団体の理念は「すべての子どもの笑顔のために」です。子どもが笑顔でいられるよう大人も社会も何ができるかを真剣に考え、取り組み、そして必要な方に必要な支援ができるようにとスタッフ一丸となり活動をしています。こころの傷やこころの痛みはなかなか分かりづらく、気づきにくいものです。 かつて子どもだった私たち大人が、「子どもの笑顔のためにできること」を共に考えていきたいと思います。どうぞ賛同いただきご支援いただけますようお願いいたします。
CAPNAへ温かいご支援ありがとうございます。 子どもは未来の宝です。
ご支援いただきましたご寄付は子どもの笑顔のために活用したいと思います。よろしくお願いいたします。