この法人は、貧困母子家庭に対して、社会復帰、就職、再婚、出産できる環境作りの支援活動、さらにDV（精神的パワハラ、モラハラを含む）に悩む女性と子どもの一時保護シェルターを完備し、専門家による心のケアを行う。家庭内や男女間で問題を繰り返さないためのアドバイスや個人カウンセリング、交流会を行い、コミュニケーションセミナーを開催することで貧困、ＤＶを防止し、社会貢献していく法人です。

また、この活動を通じて、人の心も身体も明るく健全にしていくことを目的としています。精神的にも経済的にも困難を抱えて生きづらくなり、一人では解決出来ない状態の女性とひとり親家庭などで公共の支援から漏れ出ている方のために、地域の身近な存在のＮＰＯ法人として柔軟に対応し、対象者の心に寄り添い、きめ細やかなサービスで安心して社会生活や家庭生活が送れるよう支援する役割をになっています。社会的役割として、具体的には以下を柱としています。

・　一人一人の心を尊重し誰一人虐げられることない社会づくり

・　ボランティア、プロボノ活動の推進

・　社会貢献を丁寧に健全に行うことの重要性の普及

・　市民活動の普及

沿革

2017年12月11日 法人格取得（法人番号4260005010378)

2017年12月～：一時保護・シェルター事業(貧困母子及び被害者のための居場所作り、宿泊。カウンセリング事業

2018年4月～：一時保護・シェルター事業(貧困母子及びDV被害者のための居場所作り、宿泊。カウンセリング事業、コミュニケーションセミナー事業(貧困・DVを防止するための啓蒙活動）

2020年3月～2025年3月：岡山県より認定(特例認定)を受ける。令和3月4 日まで(運営組織及び事業活動が適切であって特定非営利活動の健全な発展基礎を有し公益の増進に資すると見込まれ、税制上の優遇措置が認められる。)

設立に関するエピソード

理事長の山本康世は、仕事である心理カウンセラー業務で相談を受けている方のなかには、「なぜニュースにならないのか?」と驚くようなことを強いられている女性や、「犯罪では?」と思うほどのことをされて心が崩壊しそうなお母さんやそのお子さんに出会う場面がありました。明らかな貧困状態なのに誰にも助けを求められず、病になっていた方にも出会いました。

他にもシェルターの順番待ちや実家や親せきがあるため条件に当てはまらない、シェルター滞在期限があることでその後が不安で踏み切れず子どもと無理心中まで考えていた方にも出会いました。このような母子や女性の苦しみを見て聞いている社会人として、一人の女性として、親として、とてもその方々を放ってはおけないと感じカウンセラーの域を超えた活動が必要だと考え、自宅を開放し一時保護活動を開始しました。

東日本大震災の年 2011 年に震災で貧困に陥った親子の受け入れが最初の活動となりきっかけとなり、その後2017年 11 月NPO法人設立に至りました。

近年の活動実績

2020年度

ＤＶ被害者のためのシェルター保護運営、カウンセリング、啓発活動等や困窮ひとり親家庭自立支援を行いました。

①ＤＶ虐待被害者の親子の保護シェルター運営 (７部屋稼働)

＊橋本財団助成金、J-coin基金、新型コロナウイルス拡大防止基金活用

(2020 年度 計 17 名保護)必要時にはシェルター内で心のケアを行い関係機関と連携を取り 被害者の精神的・社会的・経済的自立をサポート。

②毎日のＤＶ虐待の相談業務

(2020 年度相談件数実績:323件　ひとり親:27件・ＤＶ女性被害:209件・ＤＶ被害男性:36件・ＤＶ加害男性:9件 子どもからの通報:7 件・ストーカー:8 件・困窮女性:27 件)

③心のカウンセリングルームを開催。

＊ドコモ市民活動団体助成金活用

④ＤＶ虐待防止啓発セミナー・コミュニケーションセミナー (2020 年度各セミナー10名～25名) 【心の写真で癒されよう クレヨンアートセラピー】＊みんつく冠基助成金活用

【あなたにも出来る!「二次災害は心のあり方で防げる」】＊JR西日本あんしん社会財団助成金活用

⑤困窮ひとり親家庭への食糧、生活用品を支援。 

コロナの影響のため、住まいがなくなった親子の一時保護シェルター活用

１.貧困母子家庭への食料、日用品等の支援

→当団体が保護する方の中には、経済的にも非常に厳しく食料や日用品等の支援が必要な方も多く居る現状があります。ＤＶ虐待暴力ハラスメント問題は家庭内や男女間の個人だけではなかなか解決できず、心のケアに時間がかかる場合があり、このような状況の中、被害を受けた方の自立に向けて、食料や日用品等の支援は心の励みになります。

２.DVシェルター内の子どもへの学習支援

① シェルター利用の子どもたちの学習支援

→謝金（家庭教師等）

②貧困ひとり親家庭の子どもたちの相談、ケア

③学習教材の購入

目指す社会状況

当団体の実現したいビジョンは、「すべての子どもたちが家庭内でも社会でも心明るく安心して過ごせ、大人になることが楽しみになり将来に希望を持ちながら育つことが出来る社会」です。

そのために、まずは大人である男女を取り巻く心の問題を早期解決する必要があると考えています。そして問題が大きくなることへの予防、不幸の連鎖を止め、頼れる協力者と連携しながら、孤独にならない子育てや男女関係を築き、社会での自立に向けて助け合うことを目指しています。

男女の社会的格差の問題

大人になりきれない大人の子ども化幼児化現象、古い価値観や習慣による決めつけや押しつけ、明るみになってきた大人の発達の問題、「お金が１番、今だけよければ、自分だけが大事」という社会病。このような大人の問題は子どもの幼い心を傷つけ、自信を奪い大人になることが怖くなり引きこもり、不登校や病の原因ともなっています。

そのためには、まず大人である私たち一人ひとりの意識改革が必要だと考えます。

当団体の社会的役割

DV虐待被害にあってしまった方の保護とそれに伴う貧困ひとり親家庭への自立支援が社会的役割だと考えています。さらに、虐待の連鎖を止めるための心のケアや教育、男女の問題を早期解決することで子どもたちが犠牲者になることを予防する役割も担っています。

新しい貧困とも言える心の貧困は、大人も子どもも未来に希望を失う原因となっています。そしてお困りの方の問題の予防と社会的自立のために、一時保護シェルターでの保護活動、不幸の連鎖を止めるための啓発活動、心のカウンセリング、コミュニケーションセミナー開催を継続。関係行政、他団体、医療機関と連携しながら、孤独にならない子育てや男女関係を築け、誰もが普通の暮らしが普通にできることを目指しています。

親子の生きる力を明るい笑顔を取り戻す活動を、スタッフ全員で心を込めて学びながら丁寧に地道に継続してまいります。

勇気を出して電話やメール、小さな声で助けを求める親子や女性、シェルターに逃げて来られる方は、着の身着のままで何も持たれずに来られる方がほとんどです。一人でも多くの方が安心して過ごせる場所を提供するために、そして自立を支援する活動の継続が必要です！どうか、皆様のご支援をよろしくお願いします。

また、シェルターを利用する子どもたちが普通に眠れて、普通に学校に行けて友だちと関われて、安心できる新しい生活へとつなげていきたいと思います。DV虐待問題、男女問題、家庭崩壊は、１番弱い子どもたちが犠牲になります。その子どもたちがなんとか大人になった時には、社会でうまく適応できない大人として苦しみます。そして、その子たちの周囲の人に大きな影響を与えます。

私たちオリーブの家が解決したいこのような問題は、日本に住むすべての人の問題でもあるのです。認定NPO法人オリーブの家が最後の希望になる方のために！どうか私たちの活動を応援してください！

一緒にこの問題を解決する一員となってくだされば幸いです。よろしくお願いします。