関東
2003年に早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)主催の「海外ボランティアリーダー育成プロジェクト」から始まった学生NGO ESTは、「子どもたちが思い描く未来を実現する」をビジョンに掲げ、フィリピンの子どもたちに向けて教育支援を行っています。
学生NGO ESTは「子どもたちが思い描く未来を実現する」をビジョンに掲げ、フィリピンの子どもたちに向けて教育支援を行っています。
近年フィリピンは、貧困世帯率が減少し、教育面では小学校就学率は改善されてきています。しかし、依然として地域格差があり、経済的な影響などで多くの子どもが小学校や高校で中退しています。
大勢の子どもが中退する理由には、経済的な問題や親の教育に対する無関心、将来に対して夢が持てないことなどが挙げられます。十分な教育を受けられなかったことで、限られた業種にしか就くことができず、それが親から子へ受け継がれ、貧困のサイクルから抜け出すことが難しくなっています。
そこで、私たちは子どもたちが夢を持てないことに着目し、子どもたちに多様な考えや価値観に触れてもらい、世界に目を向けてもらうことで未来を思い描くきっかけを作り、夢の実現のために最大限のサポートをしていこうと考えました。
ただ支援する側の私たちが持っている知識や価値観を押し付けるだけでは、現地の文化を壊してしまう可能性があります。支援をする際には、相手の国の文化を尊重することを大切にしています。自分たちが考える問題点を指摘し、現地の人にそれを考える材料にしてもらい、自発的に行動などを変化してもらうことを心掛けています。
当団体は2003年に早稲田大学で始まり、今年で18年目になりました。この18年、活動の形態は変化していても、設立当初からのボランティア精神はしっかりと受け継がれています。昨年より新型コロナウィルスの影響で、渡航中止が余儀なくされました。そのため当団体の強みであったホームステイをはじめとする地域に密着した支援も、物資支援ではないソフトな支援も実現できなくなってしまいました。しかし、私たちは渡航が叶わずとも、現地に寄り添った支援をしようと努めてきました。現在は、パンデミック以前から進めてきた読書習慣を広めようというプロジェクトを行っており、約150冊の本の寄付とLittle Free Libraryの設置をしようとしています。
学生にできることは限られているかもしれませんが、学生にしかできないことも沢山あると思います。フィリピンの自立に貢献するために、学生にできる最大の支援をこれからも学生NGO ESTは模索し続けていきたいと思います。